†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
体を離すと、優真は恥ずかしそうに鼻を触った。
あ、照れてる時の癖なのかな。
あたしはふいにそう思った。
「なんか…信じられないな。樹里と付き合えるなんて……」
優真は嬉しそうに笑いながら、あたしを優しく見つめる。
あたしはすぐに笑顔を優真に向ける。
「何言ってるの。あたしはもう優真のモノなんだから…。ちゃんと自覚してよね?」
あたしはゆっくりと優真の肩に頭を乗せた。
温かい体温が伝わってくる。
「……樹里、ちょっとこっち向いて…?」
優真に肩を掴まれ、あたしは頭を上げる。
その瞬間、あたしはビクッと体を震わせた。
首筋に伝う唇の感触。
――キスマーク。
優真…キスマーク付ける気なんだ。
嫌。
廉以外の人にっ……。
「イヤッ…」
気付けばあたしは、優真の胸を押し返していた。