†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「……っ…つ…」
優真は苦しそうに顔を歪めた。
あ、やだ。あたし……
優真の胸には、傷があるのに!
「ご、ごめんなさい優真っ…!!大丈夫!?痛む!?」
あたしは優真の腕を掴む。
すると優真はすぐに顔を上げ、優しく微笑んでくれた。
「大丈夫だよ。ちょっと傷口が疼いただけだから」
ポンポンと頭を撫でてくれる優しい手。
優しすぎるよ、優真…。
キスマークを拒んだのに。
あたしの心はまだ……廉にあるのに。
「あ…あたし、そろそろ帰るね。明日も仕事だから」
あたしがそう言って立ち上がると、優真はグイッとあたしの腕を引っ張った。
その衝撃で、あたしの体は優真の腕の中に。
「ゆ、優真…?」
「……………」
何も言わず、あたしを抱き締め続ける彼。
いったいどうしたんだろう…。
「優真?傷、痛むの…?」
「……雨宮に…心変わりするなよ」
「……っ…なっ…」
ビクリと体が跳ねる。
優真、どうして……。