†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「あ、当たり前じゃない。あたしは優真のモノなんだから……」
「心配なんだよ…。雨宮はきっとまだ樹里を好きだ。……アイツは…俺から見ても、すげぇ樹里を愛してる。」
「……っ、やめ…て…」
「怖いんだ。樹里が離れて行くんじゃないかって……」
力無く、あたしを抱きすくめる優真。
優真……。
「あたしは…優真の彼女だよ?廉が何を言って来たって……あたしは動じない。……信じて?」
そっと彼の手を握る。
ダメだ。
優真を不安にさせたら。
優真の胸の傷は……あたしのせいで出来た傷なんだから。
「ありがとな……樹里。」
優しくそう微笑む優真。
あたしは…その笑顔に胸が締め付けられた。