†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
本当に好きな人
「――ありがとな、樹里」
「ううん、いいの。気にしないで」
2ヶ月後。
優真は無事に退院した。
あたしはその日、有給を取って彼を迎えに行った。
「優真、荷物貸して?あたしが持つよ」
「いや、これくらい大丈夫だよ。」
あたしが優真の持っていた入院荷物に手を伸ばすと、優真はスッとあたしから荷物を遠ざけた。
「でも…」
「いいから。ほら、乗れよ」
車に着き、優真は扉を開けてくれた。
「ありがと…」
あたしは優真にお礼を言い、助手席に乗る。
優真はすぐに運転席に回り、中に入ってきた。
「あたしが運転するのに…」
「いいから。大したことないし、あんまり気にするなよ」
大したことないしって…。
心破裂したんだよ?
心配だよ……。
あたしは優真を見てそう思った。