†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
そんなことを思っているうちに、優真の部屋に着いてしまった。
優真は慣れた手付きで、部屋の鍵を開ける。
――ガチャ
「入って。」
優しくそう言われ、あたしは小さく頷き、中に入る。
初めて入る……彼の部屋。
全体的にモノトーンで、落ち着いた雰囲気の部屋。
……なんだか廉の部屋に似てる。
優真といるのに、あたしはまた…廉のことを考えてしまっている。
「……樹里」
「あ、ちょっと疲れた?少し横になる?」
あたしは優真の肩に触れる。
するとその手を、優真の大きな手に包まれた。
「優……」
「抱きたい」
「えっ…」
「樹里を抱きたい。」
グッと引き寄せられ、ギュッと抱き締められる。
廉とは違う体温。
廉とは違う……匂い。