†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「んっ…」
首筋を痕が残らない程度に吸われ、あたしは思わず声を漏らす。
「樹里、好きだよ…」
耳元で甘く囁かれ、あたしは何も言えなくなる。
「優、真っ…」
廉。
あたしの頭の中には…廉しかいないんだ。
「……樹里」
いきなり、優真の動きが止まった。
「……?」
あたしはゆっくりと目を開ける。
……どうしたの?
あたしはゆっくりと起き上がる。
優真は青ざめたような表情をし、あたしからスッと離れる。