†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「ゆ、優真…?どうし……」
「……ごめん、樹里」
え?
なんで…謝るの?
あたしは訳が分からず、優真に近寄った。
「優真、どうかしたの?具合悪い?」
優しく聞くと、優真はグッと手を握りしめた。
「……樹里さ、ホントはまだ雨宮のこと好きなんじゃないの?」
――…な…。
あたしは何も言えなかった。
何を言ってるの?優真。
「優真…?悪い冗談は……」
「冗談じゃねぇよ。本気だから。」
優真の目は真剣だった。
あぁ…あたし、もう嘘は付けないな。
「樹里…本当のこと言って?樹里は……まだ、雨宮のこと…好きなの?」
「……………」
「答えて、樹里。」
問い詰められ、あたしは逃げ場を無くす。
言うしかないのかな。
廉が好きって。