†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
認めたくない気持ち
「……落ち着いたか?」
「……ん…ありがと」
しばらく雨宮さんの胸で泣き、あたしはゆっくり彼から離れる。
「ったく…お前凄いな。これだけの体格の男相手に1人で……」
雨宮さんは驚いたように回りを見回した。
「これくらい出来なきゃSATになんていれないわ。別に普通だよ」
あたしはいそいそと私服に着替え、帰り支度をする。
「じゃあ…あたしオフィスで鞄取って帰るので。さよなら」
あたしは訓練服を持つと、更衣室の出口に行く。
……一応、言っておくか。
「……ありがとね。胸貸してくれて」
あたしは消えそうな小さい声で呟いた。