†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
あたしはオフィスに戻り、鞄を手にすると帰ろうとした。
「あ、宮崎さん。ちょっといい?」
後ろから声を掛けられ、あたしは振り向いた。
そこにいたのは…同じSATの“岡田優真(オカダユウマ)だった。
確か彼もあたしと同じ…23歳だったっけ?
笑顔が無邪気で、みんなから可愛がられる彼。
あたしはあんまり関わりはなかったけど…悪い人じゃないってことは分かってた。
「岡田くん、どうかしたの?」
あたしがそう聞くと、岡田くんはニコッと笑った。
「あのさ、この後……暇?」
岡田くんは優しい笑みをあたしに向ける。
「この後?暇だけど……」
「やった!じゃあさ、飯付き合ってくれない?」
岡田くんは嬉しそうに尋ねてきた。
ご飯か。
ま、いっか。
岡田くんは仲間だし。
「うん、いいわよ」
あたしは了解した。