†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「うん…歩きだけど」
あたしの家は署から近い。
歩いて20分くらいで、電車も通ってる。
だから車の免許を持っているのに使ってないから…いわばペーパードライバーってやつ。
まぁ東京なんて、そんな人腐る程いるだろうけど。
「じゃあ送る。帰る時は声掛けろよな」
雨宮さんはポンポンとあたしの頭を撫でると、訓練に向かった。
はぁ…。
あたしやっぱり…雨宮さんのことが好きなんだ。
話し掛けられただけで…あんなになるなんて。
「宮崎」
後ろから声を掛けられ、あたしは振り向いた。
「はい……あ、倉橋隊長…」
あたしに声を掛けてきたのは…隊長の倉橋瑠樹也先輩だった。
彼は若いのにかなりの実力者だ。
確か…結婚して子供もいるハズ。
「悪いんだが…今週だけ制圧班から狙撃班に移ってもらえないか?」
「え?狙撃班に…?」
あたしは戸惑い気味に言った。