†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「あぁ。ちょっと狙撃の隊員が1人、入院しちまってな。人数が足りてないんだよ」
「え…でも制圧班の方は大丈夫なんでしょうか?あたしが抜けても……」
「あぁ。制圧の方は足りてると桐島司令官から了解も頂いたから大丈夫だ」
そうなんだ…。
なら……大丈夫かな。
「はい。では今週だけそちらに移らせて頂きます。」
あたしは倉橋隊長に頭を下げた。
「おう。頼むぞ」
倉橋隊長はニコリと微笑み、自分のデスクに戻った。
「樹里、訓練行きましょ」
美姫先輩があたしの肩に手を置く。
あたしは“はい”と返事をし、美姫先輩と一緒にオフィスを出た。
今日の飲み会…他の部署の子もいるのかな。
いたとしたら…雨宮さんのこと狙ったりする子、いたりするのかな?
嫌だな…。
あたしはハァと溜め息を吐く。