†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
あたしが…好き?
雨宮さんが、あたしを?
「な、何言ってんの?つーかこんな所で言うことじゃないでしょ」
「聞け。樹里」
グイッと顎を掴まれ、上を向かされる。
真っ直ぐな綺麗な瞳があたしを見つめる。
……嫌。
ダメ。
そんな目で見られたら…あたし……
「か、帰るっ!!」
「は!?おい、樹里!?」
勢い良く立ち上がり、お金だけをテーブルに置く。
あたしはザワザワとうるさい居酒屋を足早に出た。
外に出ると、ひんやりとした空気があたしを包んだ。