†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「……っ…!…っ…」
どんなに抵抗しても、あたしの力じゃ敵わなかった。
雨宮さんはグッとあたしの腰を引き寄せ、更に熱く唇を重ねてくる。
「んっ…ゃ…」
顔を背けようとしても無駄だった。
雨宮さんは…いったい何を考えてるの?
なんで…キスなんかするの?
「嫌っ…!やめてよっ……!!」
あたしはドンッ!と彼を押した。
激しいキスに息が乱れている。
「なんでっ…あたしにキスなんかするの!?なんで……っ」
「お前が好きだからだよ!」
一際大きな声が響き、次の瞬間あたしはギュッと彼に抱き締められていた。
あたしはそれでも必死に抵抗をした。
確かに…あたしは雨宮さんが好き。
……だけど。
好きだからこそ…あなたとは恋人にはなれない。
……あなたの為に。