†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「性的虐待…?」
雨宮さんはあたしを少し離した。
あたしはコクリと頷く。
「そうだよ。……実の父親が事故で死んだ後…母が再婚してね。その時に出来た義父。それが運悪いことに凄く性癖が悪い奴でね…毎晩のようにあたしを犯し続けた。母の目を盗んで」
気付けばあたしの体は震えていた。
あぁ、ダメだ。
こんなふうに誰かに自分の過去を話したことなんてなかったから……。
気持ちの整理がつかない。
「毎日が地獄だった。夜が来る度に震えが止まらなくなった。いっそ死んでしまえたら、どんなに楽だろうって……何度も思った」
「……………」
あたしはスッと雨宮さんから離れた。
「だから…無理なの。あたしは汚れてる。普通の女じゃないの。だから……」
「んなこと誰が決めたんだよ」
「えっ…?」
「お前のどこが汚いんだよ」
雨宮さんの鋭い目付きが、あたしを貫いた。