†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
見上げれば、真っ白な天井と…雨宮さんの綺麗な顔。
あたしはドクンドクンとうるさい胸を押さえ、目を開いていた。
「樹里」
「何…?」
ふいに名前を呼ばれ、あたしは返事をする。
雨宮さんは切なく顔を歪め、あたしの頬を撫でる。
「本当に…いいんだな?後悔するなよ。」
「もう、だから何度も言ってるじゃない。あたしは雨宮さんに抱かれたいの。……あなたじゃなきゃダメなの。」
あたしは雨宮さんの首にしがみ付いた。
雨宮さんはフッと優しく微笑み、あたしを抱き締め返す。
「怖くなったら言えよ。すぐ止めるから」
「ん。分かった」
あたしは彼にしがみ付いたまま、頷いた……。