†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
「廉って呼べよ。いいだろ?付き合ってんだから…名前で呼べよ」
「で、でも……」
「口答えはナシだ。分かったな?」
雨宮さん……ううん。
廉に至近距離で囁かれて、あたしはもう頷くしかなかった。
「ほら、呼んで?」
廉はあたしに名前を呼ばせようとする。
「えっ…い、今?」
「当たり前だろ。今じゃなかったらいつだよ」
「そ、そうだけど…」
今日は……なんだか初めてずくしだなぁ。
「れ、廉…」
あたしが小さくそう呼ぶと、廉は満足そうに微笑んだ。
「合格。」
あたしの額にキスをし、首筋に唇を移動させる。
「ん……」
柔らかな唇の感触。
あたしは思わず身を捩った。