†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
ギュッと抱き寄せられて、不覚にも胸が高鳴る。
ダメだ、あたし!
何ドキドキしてんの!!
そうよ…。
あたしは元々、男に免疫がないから…こんなにドキドキするんだ。
きっと、そう。
あたしはバクバクとうるさい心臓を押さえた。
「さっさと失せろ、クソ野郎が」
イケメン男はチャラ男に向かってそう低く言った。
チャラ男はねじられた腕を無理矢理振り払い、走り去っていった。
「ったく…最近は変な野郎が多いな……」
イケメン男はハァと溜め息を吐いた。
「……あの」
あたしはイケメン男を見上げた。