†危険な男†〜甘く苦い恋心〜
――チュンチュン…
「ん……」
小鳥の囀りで目を覚ましたあたし。
気付けばあたしは逞しい温かな腕に包まれて、眠ってしまっていたらしい。
目の前にあるのは…見とれるほどの綺麗な顔。
あたしはたまらず彼が愛しくなり、頬を撫でてみる。
そして鍛えられた二の腕、綺麗な鎖骨に首筋。
昨日……こんなに素敵な男性に…あたしは抱かれたんだ。
なんか…すごく嬉しい。
「何俺に見とれてんだよ、樹里」
「えっ、きゃっ!」
いきなり低い声が耳をかすめる。
あたしはあっという間に組み敷かれていた。