夕 月 夜
「…さて、二人に話さなければいけないコトがあるの」
昴様は、私と鈴音の近くに座った。
話の内容は、だいたい見当がつく。
きっと、百合香様のコト…。
「百合香は…
もう居なくなったわ」
居なくなった…?。
無事じゃ…なかったってコト…。
「私達のところへ帰ってきたのは、この二つだけよ…」
昴様が着物の懐から出したのは…
やつれた御守りと扇子。
二つとも、百合香様が大切にしていたモノ。
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