夕 月 夜
夕方になり、俺達の日翔館での一日が終わる。
龍馬や他の連中は、そそくさと家路につく。
俺もそろそろ帰ろうか…。
そう思い、帰り支度をした。
…?。
優一は、まだいるのか?。
優一の机の上は、まだ散らかっていた。
何気に几帳面な優一らしくない机。
でも、優一の机だ。
何故か落ち着けなくなり、俺は何も持たず庭へ出た。
優一は、そこに居た。
大きな木にもたれかかり、ただボーっと夕空を仰いでいた。
「優一」
そんな優一に、俺は近づいて行った。