夕 月 夜
おれは、それに苦悩し続ける彼女を助けたかったんだ。

笑った顔が見たかった…。


だけど…
現実は甘くなかった。

限界ってモノがあって、おれは百合香の身体を買うコトしか出来なかった…。


笑われるかもしれないけど、その時…単純に薬剤師になろうと思ったんだ。


立派な薬剤師になって、見知らぬ百合香の母親を助けて、百合香と一緒になろう。
そんな幸せな夢を四六時中みてた…。


早く一人前になりたい。

ずっとそうやって、頑張って来たつもりだった…。


でも…

間に合わなかった。


百合香の母親は、亡くなったんだ。



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