夕 月 夜
何年も何年も…

ひたすら頑張って来たのに、とうとう努力は報われるコトがなかったんだ…。


悔しい…悔しすぎる。


何よりも、彼女には辛すぎる…。


彼女は…
きっと それに耐えられなかったんだ。


そんな彼女に、おれは何にもしてやれなかったんだ…。」


悔しそうな顔をしている優一の話を、黙って聞く事しか出来なかった。

何て言ったらたら良いのか、俺には分からなかった。

どんな言葉を選んでも、頼りない気がして…
どうしようもなかった。


重たい沈黙が、肌から寒さを感じた気がした。




「健太郎は、大切にしなよ」


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