夕 月 夜
「守谷の次男坊は別として…。
相馬の次男坊は、一人の遊女の死後以来、特に足を運んでいる様子はございません」
「左様か。
どうせ 健太郎もすぐ飽きるだろう。
様子をみるぞ」
「かしこまりました」
随分と詳しいな…。
まさか 偵察を買ったのか。
「時に 旦那様。
奥方と御長男の消息を報告致します」
健太郎のお袋と兄貴は、見つかったのか!?
「ほほう、面白い。
申してみよ」
「はい。
奥方は男と一緒になった後、捨てられた模様です。
今は 西の方にて、遊郭に売り飛ばされたとの事でした」
「良い様じゃの。
ワシを裏切った報いじゃ!」
健太郎の親父は高笑いした。