夕 月 夜

鈴音が… 鈴音は…

自分が悪いって言ってて…

自分が我慢すればいいんだって…


本当は一緒に居たいはずなのに、仲村様を冷たく突き放して…別れを告げたんです…。


仲村様の将来と、昴様の身を守りたくて…

言いたくない言葉で嘘をついて、自分に言い聞かすんです。


そんな鈴音に…
私は何もしてあげられないんです…。

それなのに…


私は身請けされて、幸せに成ろうとするんです。

鈴音は辛いはずなのに、誰にも弱さを見せないで、泣くコトもしないんです…｣



悲しい…

だって、鈴音は私のコトを自分のコトのように喜んでくれるのに、私にはそんなコトが出来ない。


昴様は、泣きじゃくる私の涙を指で優しく拭ってくれた。