夕 月 夜


「だから… 何?」


涙が出そう。
だって、その気持ちは私だって一緒だもん…


「私の邪魔しないでよ!」


邪魔しないでよ…

何にも出来ない私が

唯一みんなを守れるコトを

邪魔しないで…



「何にも分かんないくせに… 邪魔しないでよ!!」


ダメ、涙が…。


「!?」


健太郎が私を後ろから抱きしめた。



「やめて… 離して…」


必死に足掻くけど、健太郎の力に叶わない。


「どうして… 離してよ」

「離さない。離したくない」


やめてよ。
これ以上は、辛すぎるよ。



「お願い… 分かってよ…

鈴音は、健太郎と一緒に居られないんだよ!


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