夕 月 夜
―side K
やっと…
一緒になれる。誰も居ない場所で。
これからは、俺が鈴音を守るんだ。
もう、誰も俺を一人になんてしない。
もう… 独りじゃない。
「綺麗な月だな…」
あの日、鈴音と見た月に似ている。
だが…
今夜は少し違う。
何故か落ち着かない月の色。
無性に胸騒ぎを覚える。
「遅いな…」
鈴音は、無事に抜け出せたのだろうか…。
―――健太郎。
鈴音…
上手くいったのだろうか。
「鈴音…」
――『健太郎』