夕 月 夜


鈴音と健太郎は、席が隣同士だった。

もう怖くねぇよ。と、
健太郎が優しく手を離す。

ありがとう。と、
鈴音が笑った。


「この教室…、案外広いんだな…」

龍馬が呟いた。

「意外に、ね」

いつもなら、生徒でごった返すこの教室も、今はたった6人。


「慣れない感じだよね」


真夜中なせいもあって
普段は感じるコトもない淋しさが広がる気がした…。



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