夕 月 夜
―side R
「鈴音!昨日は大変だったって聞いたよ!?
大丈夫だった?」
あの騒動の翌日の夜。
客待ちをしようと玄関に来た私に、有月が心配そうに話掛けてきた。
そんな有月に心配を掛けたくなくて、できる限り笑ってみせる。
「大丈夫だよ。心配しないで」
「本当に?
無理はしないでね、鈴音は身体が丈夫じゃないんだから…」
「ありがとう。
心配かけてごめんね」
「私のコトは気にしないで。ちゃんと気をつけるんだよ」
「…うん」