夕 月 夜

私なんかの心配をしてくれる花月楼の人達。


けれど


『遊女』だと言うだけで、酷い扱いを受けたりもする。

昨夜のように…。



そんな偏見がどうしても、悲しかった。



「いらっしゃいませ」


有月の声で、我に返った。


いらっしゃったのは、相馬様。

そして もう一人
何も言わず 立っていた。

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