夕 月 夜
―side K
俺は、昨夜の部屋に通された。
「お座り下さい」
俺は、あの娘と向かい合うように座った。
彼女は、静かに酒を注いでいた。
どう切り出そうか…。
「どうしてですか」
俺が切り出す間も無く、彼女が口を開いた。
「昨日は、あんなに嫌悪感を示してらしたのに…」
彼女は、俺と目を合わそうとはしなかった。
「単純に、悪い事をしたと思って詫びに来た」
俺は平静を装って、そう答えた。
そして、多少不満そうな彼女から酒を受け取った。
「………と言うのは、半分だ」