夕 月 夜
―side K
『友人にならないか』
昨日 何故、俺はそんな事をあいつに言ったんだろうか…。
まさか 本音…か?
人間とは、不思議なもんだな。
さて…。
今日も日が暮れるな。
稽古もない、課題も出なかったなぁ…。
ヒマだ。
こう言う時に、あそこへ行けばいいのだな。
「そこのお兄さん」
ボケーッと道を歩いていると、道端の商人のような婆さんに声をかけられた。
「彼女に一つ、どうだい?」
地べたに敷いた布の上には、キレイな飾りがたくさん並んでいる。
婆さんは、にこやかに俺を見ていた。