Selfish―俺様彼氏―




空き教室のドアをゆっくり開けると、すぐに見つけた隆太。



そして、隆太の視線が私をとらえた。


「あっ…香奈!」




ぱあっと一気に明るくなった隆太の表情。


私がドアのとこで突っ立っていると、私に近づいてきた隆太。



「香奈、どした?」


「あの…ね、その…」


「ん?言ってみ?」


「…ここじゃ言いにくいよ。隆太の友達いる。」


「あー…そうだったな。」


すると、私の右手を繋いだ隆太の左手。

まるで、離れていかないようにと強く握りしめられた手。




初めて、隆太から手を繋いできてくれた。


嬉しかった反面、照れくさかった。







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