Selfish―俺様彼氏―




私と隆太は、人気のない非常階段にやってきた。


隆太はまだ私の手を握りしめたままだった。




「香奈、なんかあった?」


「…えっ?」


「メールとか電話くれなかった上に、口もきかねぇなんて…今までなかったし。」


「ご……ごめんね?」


「えっ…?」


「私…私……」



なぜかわからないけど、涙が溢れ出てきた。


そんな私を、隆太は優しく抱きしめてくれた。




「香奈、ゆっくりでいいから…話して?」


「うんっ…。」





泣きながら、私は隆太に今まで思っていたこと、なんでメールや電話をしなかったのかを話した。




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