最後の恋
「でも…付き合えたら自分がどんどん欲張りになっていく」
「欲張り?」
「メールしてたら声聞きたくなって…声聞いたら会いたくなって。会えたらもっともっと会いたくなって…平日の夜やのに迷惑やって分かってるけど…今日も会いに来てしまった」
「椎名…」
好きだと思った。
もう、椎名に心を奪われていた。
俯きながら話す姿もその声も、愛おしくてたまらない。
「私も会いたかったよ」
座り込んだ椎名に近付き、そっと頭を撫でた。
「ほんまに?」
「うん、だって待ってたもん。連絡くるの」
私がそう言うと椎名は顔を上げて。
「莉奈さん大好き」
そう言うと私の手をぐっと引いてギュっと強く抱きしめてきた。
「ほんまに大好きやねん」
「うん」
「知れば知るほど好きになっていく」
「ふふっ、ありがと」
「どうしよう、俺」
「ん?何が?」
「好きになりすぎて苦しいねん」
苦しい?