最後の恋
「それ…どうするん?」
私の持つ紙袋を見つめて椎名はそう言った。
「あっ…うん…」
「うんって何?俺が返したのにまた受け取って…どうするつもりなん?」
どうするつもりって…そんなこと言われても。
「莉奈さん、あの人のことまだ好き?」
「えっ、違う…そんなんじゃない」
「じゃあ何でさっきちゃんと断らんかったん?プロポーズされて…悩んでる?」
「…そんなことないよ…」
「じゃあ…」
椎名はそう言うと少し間を開けて言った。
「何でそんなに困った顔してるん…悩んでるからやろ?」
言葉が見つからなかった。
私、そんな顔してるの?