最後の恋


人生そう甘くはない。

たった今、それを改めて感じている。


月曜日。ざわついていた空気が、私が出勤して早々シーンとなった。


そして、前から横から後ろから。突き刺さってくるいくつもの視線。


「らしいよ、営業部の」

「でも23でしょ?」


それから、ヒソヒソと聞こえてくる会話。



覚悟はしていたとはいえ、まさかこんなにも早く会社で嫌な注目を浴びるとは思っていなかった。



「おはようございます」


背後から聞こえる声。

真後ろのデスクは早川さんの場所。


「おはよう…」

振り返らないままそう答えた私は、気まずい空気に耐えられなくなりすぐに仕事を始めた。

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