最後の恋
「それが会社のね…」
「えっ同じ会社なの?」
「っていうかどうなってそうなったの?」
止まらない質問攻め。
二年ぶりに彼氏が出来たとしか話せていなかった私は、椎名と付き合うことになったきっかけを二人に話した。
「そんな話ある?ドラマみたいじゃない?」
「ほんとそうだよね、親切にされて一目惚れなんて信じられないんだけど」
「しかもあんなにイケメンとか」
「30前のアラサーにそんな奇跡とか本当に起きちゃうのー?私も人生やり直したいー」
「何言ってんのよサキ、旦那さん凄く優しい人でしょ?ユウト君だって可愛いし」
「まぁね、でもさ、トキメキなんて全くなくなったよ。ドキドキとかキュンキュンとかゼロだからね」
またしても繰り広げられる二人のマシンガントーク。
私は呆れて笑いながらビールを飲んだ。