最後の恋


「それが会社のね…」

「えっ同じ会社なの?」

「っていうかどうなってそうなったの?」


止まらない質問攻め。

二年ぶりに彼氏が出来たとしか話せていなかった私は、椎名と付き合うことになったきっかけを二人に話した。


「そんな話ある?ドラマみたいじゃない?」
「ほんとそうだよね、親切にされて一目惚れなんて信じられないんだけど」
「しかもあんなにイケメンとか」
「30前のアラサーにそんな奇跡とか本当に起きちゃうのー?私も人生やり直したいー」
「何言ってんのよサキ、旦那さん凄く優しい人でしょ?ユウト君だって可愛いし」
「まぁね、でもさ、トキメキなんて全くなくなったよ。ドキドキとかキュンキュンとかゼロだからね」


またしても繰り広げられる二人のマシンガントーク。

私は呆れて笑いながらビールを飲んだ。


< 216 / 418 >

この作品をシェア

pagetop