最後の恋


それから30分くらいだろうか。

インターホンが鳴り、椎名がうちに到着して。


「おじゃましまーす」


そう言うと、今日もちょこんとソファに座った。


やっぱり可愛い。


数日会えなかったのに、好きな気持ちは増えているような気がする。

ソファに座った後ろ姿を見るだけで、なんだかふとそう感じた。



「これとこれは冷蔵庫の方がいいかな。これは冷凍庫」


椎名はたくさんのお土産を持ってきてくれた。


「ありがと、こんなにいっぱい重かったんじゃない?」

「全然!たいしたもんちゃうから気にせんといて」


そう言ってニッと笑う椎名。

この笑顔を見ると、ホッとする。


「えっ、莉奈さん!?」


私は思わず抱きついて、そのままギュッと椎名を抱きしめた。


「会いたかった」

「俺も」


椎名もギュッと私を抱きしめてくれた。

強く強く、抱きしめてくれた。

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