最後の恋
「ごめん、ちょっと考えさせてくれないかな」
「は?何でそうなるん!?」
「ごめん…ゆっくり考えたいの、これからのこと」
このまま付き合っていくにしても、それなりの覚悟がいる。
覚悟をして、ちゃんと私は腹をくくらなきゃいけない。
「意味分からんわ、考えるほどのこと?俺、ずっと莉奈さんのこと好きでいる自信あるで?ほんまに、その気持ちにウソはない」
椎名は力強い声でそう言ってくれた。
「ありがと…」
だけど、そう返すだけで精一杯だった。
それ以外の言葉が見つからなかった。
「何なんそれ、ありがとうって何?それでもやっぱり考えたいん、これからのこと」
「…ごめんね」
「はぁっ…もうええわ、好きにして」
「えっ?」
「もう俺は何も言わん、これ以上何も言うことないわ」
椎名はそう言うと、一方的に電話を切った。
私は携帯を握りしめたまま、しばらく動けなかった。