最後の恋


そんなモヤモヤした気持ちのまま過ごした休日。

週明けの月曜日、仕事に行くと珍しい相手が先に挨拶してきた。


「おはようございます」

「おはよう」


ニコニコ顔で先にそう言ったのは早川さんだった。

ここ最近からは想像もできないくらいの笑顔。

分かりやすい。

とても機嫌が良さそうだった。


椎名と何かあったの?

聞きたい。だけどそんなの聞けない。

聞いたって教えてくれるわけない。


だから淡々と仕事をこなした。

何も考えたくなくて…ただひたすら仕事に集中した。



そのせいか、帰りの電車の中ではどっと疲れに襲われた。

精神的なものが大きいのだと思った。


家に帰ると、食事もせずに倒れるようにベッドに体を沈めた。

何か…疲れちゃったよ…


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