最後の恋
私の方が年上なのに、バカみたいだ。
一人で空回りしてる。
仕方なくランチを食べながら心を落ち着かせることにした。
だけどとても静かな私達は一言の会話もなく、ただ黙々と食べ続けた結果、すぐにランチを食べ終えてしまった。
沈黙は続く。
話をするために今こうしているのに、これじゃあ意味がない。
「ごめん、まだ時間あるし外に出て話さない?」
ランチを楽しむ女性達で賑わうこのカフェでは話しにくい。
「はい」
椎名は伝票を手にすると、店のレジカウンターまで歩いていく。
「いいよ、私払うから」
「いいですよ、僕が払うんで」
「でも…」
「いいですって」
冷たくそう言われ、仕方なく先にお店を出た。
冷たい風に、頬が冷やされて行く。
店から出てきた椎名と、それから会社の方向へ戻るようにしばらく歩き、会社の近くの道路脇にポツンとあるベンチを見つけた私達は自然とそこへ腰をおろした。