最後の恋
「そういうこと」
椎名は冷たい目で私を見ながらそう言った。
そして、はぁっとため息をつくと。
「本気で付き合うわけないやん。勘弁してや」
そう言うと足早に歩きだしていった。
滲んでいた景色が見えなくなっていく。
涙が…止まらなかった。
全部ウソ。
営業部の、ただのヒマつぶしの賭けゲーム。
遊ばれてたってことでしょ?
30前にもなって、バカみたい。
ハメられて落とされて、笑われて…夢をみてたなんて…。