最後の恋
それからは、一日一日がとても長く感じた。
会社と家の往復。
だけどこれは、少し前の自分に戻っただけ。
ずっとこうだったんだ。
だから、寂しくなんてない。
寂しくなんて…
そう思っているはずなのに、心の中にはぽっかり穴があいてるようだった。
一人でいる時間が嫌で嫌でたまらない。
サキに会いたい。
だけど、サキも育児が忙しいし、気軽に飲みに誘うこともしづらくなってしまっている。
エリも同じ。
来週には結婚式がある。そんな時に私の暗い話やグチなんて聞かせられるわけがない。
心配性なエリ。
せめて結婚式が終わるまでは…話しちゃいけないような気がしていた。
携帯には、たくさんの連絡先が溢れているのに…こういう時に会いたい友人はサキとエリ以外はいない。
たくさんの人と友人関係で繋がっているようで、だけどそうではないのだと思い知らされる。
飲みに誘えば、うん行こう!と言ってくれる友人はきっと何人もいるはずだけど、今の私にはその場でうまく盛り上がれる自信もない。
だったら一人でいる方がマシ。
寂しいと思いながらも、一人でいる方がラクなのだと思ってしまう自分がいた。