最後の恋
「サトル…君?」
「はいっ。ご無沙汰しています」
「何だ莉奈、もうっ、サトル君ならサトル君って言っててちょうだいよ」
お母さんは驚いていたけれど、サトルだと分かった途端すごく嬉しそうに声を弾ませた。
すんなりと受け入れられるサトルの姿に
私も正直ホッとしていた。
気に入られてたとはいえ、別れた人だ。
連れて来るまでお母さん達の反応が少し心配だった。
だけど。
「おー!サトル!?」
「お久しぶりです」
「何だよ、サトルだったのかよー!莉奈、ビックリさせんじゃねえよ。俺わざわざスーツ着てきたんだぞ」
お兄ちゃんも嬉しそうにサトルを迎えてくれて。
松永家は、すぐに和やかな雰囲気に包まれていった。