流れ星
−−−入学式も無事に終わり、時は放課後。
教室内は賑やかで、既にいくつかのグループができていた。
「ねぇ、」
と美香が言うと、傍にいた3人は彼女の方に視線を移した。
「どうする?」
「え…なにが?」
わかんないの?と言うように、美香は軽く溜め息をついた。
「ぶ、か、つ!今日の放課後、部活見学行くかってことー」
「あ…そういえば、部活強制だっけ」
「いや、やりたい人だけでいいみたいだよ?ただ、入らないのかなぁと思って。優太は小さい頃から陸上やってるんだし、見に行ったりはしないの?」
「あ、いや…俺さ、高校ではちゃんと勉強しようと思ってるから、部活には……」
と、優太は少し苦い笑みを見せた。
「そっかぁ…」
「私も、おばあちゃん1人に家事を任せちゃうのは悪いから…」
「…うーん…」
「……俺は、」
「やるよねっ?!」
由紀が言いかけた瞬間、美香は勢いよく由紀の両肩を掴み、「お願いします」とでもいうかのような顔をした。
「な…なんだよ、そういう美香は入るの?」
「ぅ…いや……まだ迷ってる」
「……」
成る程と3人は理解しながら、由紀は仕方無さそうに小さく呟いた。
「見学なら、着いてってやらなくもないけど…」
「本当っ?!!」
目を輝かせながら、肩を掴んでいた手に思わず力を入れてしまった。
「…あ、ごめんっ」
「いや…」