流れ星
「いってきまーす」
「いってらっしゃいねぇ」
あれから2、3日がたった。
桜はまだ、ひらひら落ちてくるほど咲いている。
「きれい…」
思わず手を伸ばし、落ちてくる花びらを必死に掴もうとする。
すると、またあの時のように声が聞こえた。
「春、何してんの?」
そこには、呆れ顔の彼がいた。
「あ、あはは…、優太。おはよう」
「はよ…って、子供かよ」
そういって笑われ、だんだん恥ずかしくなってきてほっぺを膨らませた。
すると、急に優太の顔が近付いてきた。
「ぇ…なに…っ」
「……桜」
「え…?」
「頭に付いてたの。本当、子供だな、春は」
顔が熱くなるのがわかった。
気付かれたくなくて、私は学校への道に足を進めた。
「ちょ、春?どうした?」
「う、ううんっ!学校、遅刻しちゃう…。早く、行こう?」
「あ、あぁ…。そうだな」
やだ…。
なに勝手に期待してるの。
まだうるさい胸を抑えながら、私達は学校へと向かった。