流れ星
優太は私のこと、なんとも思ってないんだ。
なんとも思ってない…。
なんとも……。
「…る?…はる、聞いてるの?春ってば!」
「えっ?!あ、ごめん…なに?」
放課中。
1人ボケっとしていた私は、美香の存在にも気付かずに席についたまま、ずっと今朝のことを考えていた。
「春、どうしたの?朝からなんか変だよ?」
「あ…うん、ちょっと…」
「なに、悩み事でもあった?私に言ってみなよ、相談のるからさっ」
そういって、美香は机に手を置いたまましゃがみこんだ。
「…ありがとう…」
「まぁさ、わかるよ。辛いよねぇ、恋する乙女は。朝から視線が彼にっ…ビビッ!と、ね」
親指と人差し指を立て、春に向かってジェスチャーをする。
「え…美香、わかるの?」
「当たり前よっ!中学からの付き合いだよ?私がわからないとでも思う?」
「み…美香あぁぁっ」
「おー、よしよし。素直だよね、春はさ。逆に羨ましいよ」
「え…?」
「あ、いや、なにも!とりあえず、こうなれば計画立てなきゃ」
立ち上がると同時に、丁度チャイムが鳴った。
「んじゃまた、放課後に話そう♪」
「あ、う、うんっ」
頭ではあまり理解していない春に対し、美香はなんだか楽しそうな足取りで自分の席へと戻っていく。
計画って…美香、何するつもりなんだろう…。
考えた結果、結局わからないまま時は放課後になった。