ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「康子ちゃん、目、覚めたか?今から送るけど、自分の家に帰る?それとも、優海の家に泊まらせてもらう?」
きょとんとした康子に優しく声をかける片桐さん。
私は運転席の後ろの席に座っていた。
片桐さんの頭が見える。
ドキドキする。
康子は助手席の後ろ。
「私・・・・・・どうしちゃったんですか?」
ようやく平常心に戻ったようだ。
康子は、私と片桐さんの顔を何度も見比べて、自分の顔を押さえた。
「ごめんなさい!私・・・・・・めちゃめちゃ迷惑かけてません?」
「いいよ。お酒飲んでたんだから仕方ない。で、どっちに帰る?」
「自分の家に帰ります。すいません・・・・・・」
康子は私の肩に体重をのせて、ごめんねと謝った。
「あの!!もしかして、片桐隼人さんですか?」
康子は、大きな声でそう言った。
「え?あ、そうだよ。俺のこと知ってんの?」
「知ってるも何も!!優海の初恋の・・・・・・」
と言いかけたところで、康子の口を押さえた。
でも遅かった・・・・・・かな。
片桐さんは、首をかしげる。
「優海の、何?」
「何でもないよ、片桐さん」
と私は康子の太ももをつねりながら言った。