ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
康子は小声で、
「超かっこいい」と何度も何度もうるさかった。
今まで反対していてごめんとも言った。
人からそう言われるのは、嬉しい半面、複雑だった。
やっぱり片桐さんってとんでもなくかっこいいんだなって。
改めてそう思うと、自信がなくなる。
こういう時に、あきら君に頼りたくなる。
あきら君なら言ってくれる。
“もっと自信持て”って。
そういう意味で大事だったんだ。
私はあきら君と幸せになりたいわけじゃない。
片桐さんと幸せになりたい。
その為に、私の背中を押してくれるあきら君はとても大切な存在なんだ。
「ありがとうございます。今度お礼したいんで優海と3人で飲みません?」
康子はすっかり酔いもさめたようで、笑顔で片桐さんに話しかける。
「いいね~。でも、別にお礼とかいらねーから気にしないで。お礼じゃなく、いつか飲みに行こうな」
その気遣いに康子の目はまたまたハートに。
「じゃ、優海のことよろしくお願いします」
康子は無事に家に辿り着いた。
どうなることかと思ったけど、やっぱり片桐さんに頼って良かった。