ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「会いたいのかな。俺・・・・・・」
独りごとのようにそう言って、ブランコをゆっくりとこいだ。
「会って、何を話すんだろう。友達だったらいろいろ話せるけど、彼女だったんだから・・・・・・」
片桐さん、私に何を期待しているの?
背中を押して欲しいの?
あきら君みたいに、背中を押してくれる存在が欲しかったの?
それなら、私が片桐さんの応援をしてあげる。
私にとってのあきら君のように。
「大丈夫だよっ」
私はブランコから降りた。
「片桐さん、大丈夫だよ!!自信持って」
満面の笑みで。
月の灯りさえも眩しく感じた。
「優海・・・・・・」
「もう何年も前の話だもん。普通に話せるよ。同じ夢を持った仲間でもあったんだから」
涙は、帰ってからたくさん流そう。
今は、元気に笑って。
片桐さんの背中を押してあげる。
「ね、大丈夫だから」
背中を叩いてみた。
「優海、お前・・・・・・最高だな」
そんなに嬉しそうな顔しないで。
キラキラした瞳で見つめないで。
我慢している涙が溢れちゃう。